第83回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第 66回広大ACEセミナー)を共催しました。
日時 2020年3月2日(月)16:20~17:50
会場 広島大学東広島キャンパス工学部110講義室 (詳細)
プログラム
解説 広島大学大学院工学研究科 教授 松村 幸彦
講演 広島大学大学院工学研究科 D3 Rahmat Iman MAINILl
「パーム油工場廃液の超臨界水ガス化」
パーム油は、環境に有害な深刻な廃棄物の副産物を持つインドネシアの主要産業です。しかし、バイオマス資源として優れた可能性を秘めています。パーム油工場廃水(POME)は、パーム油生産プロセスから発生する最も問題のある廃棄物です。水、油、固形物、懸濁固形物、およびリンなどの多くの貴重な栄養素で構成されています。超臨界水ガス化(SCWG)は、バイオ廃棄物を貴重なガスに熱化学的に変換するための有望な方法です。エネルギー生産と並行して貴重な栄養素を回収することで、このプロセスをより経済的に有益なものにすることができます。 SCWGによるPOMEからのガスとリンの生産に関する包括的な研究はありません。そのため、プロセスを最適化するには、製品、反応メカニズム、および反応速度の評価が不可欠です。さらに、POME変換に対する加熱速度の影響の研究は、POMEリサイクルプロセスの最適化の指針となる可能性があります。 POME変換に加えて、モデル化合物(グリセルアルデヒド)の速度論的研究は、熱水ガス化におけるリグノセルロース系バイオマス変換の詳細なメカニズムの重要なポイントを提供します。
講演 京都大学生存圏研究所 助教 柳川 綾
「多様性から考える自然と農業」
これまで人類は、産業と農業を通して文明を発展させてきました。しかし前提となっていた自然環境が失われていく中で、我々は、産業と農業の活動を通して、より豊かで調和のとれた自然界との関係を確立しなくてはなりません。本講演では、農業活動に重点を置き、自然生態系と農業生態系からみた多様性について紹介し、その在り方についてともに考えてみたいと思います。
司会 広島大学大学院工学研究科 教授 松村 幸彦
なお、18:00より意見交換会(参加費 800円)を開催します。ご都合の付く方はこちらにもご参加下さい。