第58回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第23回広大ACEセミナー)が開催されました

■第58回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第23回広大ACEセミナー)が開催されました

(English announcement can be found in the latter half of this notice.)

日時 2017年 11月 8日(水)16:20~17:50

会場 広島大学東広島キャンパス工学部110講義室

プログラム

解説 広島大学大学院工学研究科  教授 松村幸彦

講演 広島大学大学院先端物質科学研究科 准教授 岡村 好子

「CREST研究まとめ 海藻バイオマス発酵廃液処理と金属資源・バイオオイル回収」

CRESTチーム全体の目標は、大型藻類の完全資源化・ゼロ廃棄物でした。そこで私たちは、そこで発酵廃液中の金属イオンの除去・回収に資する光合成細菌の探索とコレクションを行い、吸着メカニズムを解明し、100%除去あるいは回収出来るようになりました。さらに、廃液中の低級有機酸を軽油に変換する細菌も取得しました。実際の発酵液中の有機酸が完全に消費されたことを確認しました。廃液からバイオオイルを生産するスキームも考案できました。

講演 広島大学大学院工学研究科  D2  Apip AMRULLAH

「下水汚泥の形態学的構造における水熱処理の影響」

本研究の目的は、水熱処理時の下水汚泥の形態構造に対する温度の影響を調べることです。低エネルギー消費という観点から、水熱処理は有機廃棄物の前処理のための有望な選択肢です。必要に応じて、燃料エネルギー密度の増加または有効な乾燥への寄与も達成されます。水熱処理は有機物の細胞構造の破壊をもたらしますが、下水汚泥の形態構造に対する温度の影響に関する実験的研究は十分に研究されていません。本研究では、連続式反応器を用いて130〜250℃の温度域, 5MPaの圧力下で下水汚泥の水熱処理が行われました。液体試料は全有機炭素(TOC)分析器で分析し、液体(非突発性有機炭素、NPOC)および溶解した気体生成物(無機炭素、IC)中に存在する全炭素を定量しました。固体試料はZEN顕微鏡2.3ブルー版で観察され、対物レンズLD A-Plan 40x / 0.55 Ph1が用いられ、倍率は40xでした。下水汚泥の細胞が破壊され、全有機炭素(TOC)が温度の上昇と共に増加することが示されました。

講演 広島大学大学院工学研究科 D1 Rahmat Iman Mainil

「亜臨界水および超臨界水中のグリセロアルデヒド分解」

この研究の目的は亜臨界および超臨界水中のグリセルアルデヒド分解の特性を決定することです。グリセロアルデヒドは化学式C3H6O3を有するトリオース単糖ですが,これは、キシロースの超臨界ガス化におけるレトロアルドール反応の挙動についてより理解するための原料として選択されました。本研究では、キシロースの分解にはっきりと見られない反応や中間体化合物について説明します。本実験はグリセロアルデヒドを脱イオン水に溶解させ、350〜450℃,25MPaの条件で連続式反応器を用いて行いました。液体生成物中に存在する化合物は高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用して同定しました。この研究で観察された中間体は、レトロアルドール生成物(グリコールアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドおよびジヒドロキシアセトン)および有機酸(酢酸およびギ酸)でした。反応速度論は、すべての反応が一次であると仮定して決定しました。 アレニウスの挙動は、反応をフリーラジカル反応(超臨界領域におけるアレニウス反応を示す)およびイオン反応(超臨界領域におけるアレニウス反応を示さない)として分類するために用いられました。

司会 広島大学大学院工学研究科 研究員 Nattacha PAKSUNG