第56回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第20回広大ACEセミナー)を開催しました

■第56回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第20回広大ACEセミナー)を開催しました

(English announcement can be found in the latter half of this notice.)

日時 2017年9月13日(水)16:20~17:50

会場 広島大学東広島キャンパス工学部106講義室

プログラム

解説 広島大学大学院工学研究科  教授 松村幸彦

講演 広島大学大学院工学研究科  D3    Paksung NATTACHA

「亜臨界及び超臨界条件におけるリグノセルロース系バイオマスのガス化: モデル物質間の相互作用およびプロセスの評価」

 バイオマスを効率よくエネルギーに変換する技術の一つに超臨界水ガス化があります。この技術は高温高圧条件下での熱水反応を用いたエネルギー回収法であり、水中で処理を行うので、原料のバイオマスが水を含有していても問題はなく、高い反応性を持っています。さらに、乾燥プロセスが必要でなく、水素収率が高いため、有望な技術です。しかし、バイオマスは色々な化合物があり、プロセスを最適化するのに困難です。それによって、バイオマスの変換する反応機構を検討するのが必要です。リグノセルロース系バイオマスではセルロース、ヘミセルロース、リグニンです。本研究では亜臨界及び超臨界水中におけるリグノセルロース系バイオマスのガス化を検討します。モデル物質間の相互作用およびプロセスの評価が行われました。

講演 広島大学大学院工学研究科  客員研究員  Obie FAROBIE

「超臨界バイオディーゼル生産:最先端技術」

地球規模の気候変動と環境汚染問題を緩和する努力は、再生可能エネルギーの研究に大きな注目を集めています。再生可能エネルギーの最も顕著な形態の1つはバイオディーゼルであり、これは植物油、微細藻類または動物性脂肪を含むバイオマス由来です。これまでバイオディーゼルを製造するためにいくつかの方法が用いられてきました。現在、超臨界バイオディーゼル製造は、触媒が不要で、滞留時間が短く、反応速度が速く、前処理要件がなく、多種多様な用途に適用できるという利点を含む、他の方法よりもいくつか利点があるため、激しい開発が行われている供給原料です。この技術は、メタノールとエタノールを使用したバイオディーゼル生産のために最初に設計されました。最近では、超臨界酢酸メチルおよびtert-ブチルメチルエーテル(MTBE)におけるバイオディーゼル製造も開発されています。この論文では、超臨界バイオディーゼルの製造について詳細に議論します。最後に、超臨界バイオディーゼル製造におけるエネルギー回収ならびに反応物要求を改善するための課題および将来の研究のための勧告が提供されます。

司会 広島大学大学院工学研究科 教授   松村 幸彦