日時 2018年9月26日(水)16:20~17:50
会場 広島大学東広島キャンパス工学部115講義室
プログラム
解説 広島大学大学院工学研究科 教授 松村 幸彦
講演 広島大学大学院工学研究科 教授 松村幸彦
「グリシンの超臨界水ガス化における窒素挙動」
地球温暖化を抑制するために、化石燃料の代わりにバイオマスなどの再生可能エネルギー源からエネルギーを使用することが現在求められています。窒素化合物を含むタンパク質は常にバイオマスに存在するため、この研究では、超臨界水ガス化に置けるアンモニア回収およびガス生成を解明するためにグリシンが使われています。グリシンを選んだ理由は、グリシンはもっともシンプルなモデル化合物です。この実験は管型反応器が使われています。実験条件中は温度が390,420、450℃、滞留時間が5-60s、原料濃度が1wt%、圧力を25MPaに保ちます。超臨界水ガス化に置ける窒素の挙動とガス生成の温度と滞留時間の影響が解明されました。この実験によると、グリシン分解物における窒素化合物のほとんどがアンモニアおよびメチルアミンとして存在していました。この実験では、二酸化炭素、水素が主要な気体生成物でした。高温で少量のメタンが発生しました。
講演 山口大学創成科学研究科機械工学専攻 教授 田之上健一郎
「バイオマス充填層のトレファクションにおける炭化特性に関する研究」
本研究では、竹、ベイマツ、バークの3種類のバイオマスについて成分分析、高位発熱量測定、トレファクション中の熱物質移動測定を行いました。その結果、竹の高位発熱量が他のバイオマスに比べて大きくなり、Ts = 623 Kで最大の高位発熱量を持つことが分かりました。また、竹中に含まれるキシランの発熱反応により、セルロースの一部が分解してトレファクション中のガス生成量は定常値を持つことが分かりました。ベイマツ、バークのトレファクションに関しては、それぞれ、マンナンやリグニンの熱分解に支配されることが明らかとなりました。
司会 広島大学大学院工学研究科 教授 松村幸彦