日時 2018年10月25日(木)16:20~17:50
会場 広島大学東広島キャンパス工学部110講義室
プログラム
解説 広島大学大学院工学研究科 教授 松村 幸彦
講演 広島大学大学院工学研究科 D3 Apip AMRULLAH
「亜臨界水条件下における下水汚泥のガス化特性」
亜臨界水中のガス化下水汚泥を連続流反応器で調べました。 連続式反応器を使用し、温度を300および350℃で変化させ、滞留時間を5〜30秒間、25MPaの固定圧力で実験しました。 生成ガスの組成に対する温度および時間の影響を調べました。 ガス状生成物は、熱伝導率検出器(TCD)およびフレームイオン化検出器(FID)を備えたガスクロマトグラフ(GC)を用いて分析しました。 H2は、キャリアガスとしてN2を用いたGC-TCDによって検出されました。 HeガスをキャリアガスとするGC-TCDでCO2、COを検出し、HeをキャリアガスとしてGC-FIDによりCH4、C2H4、C2H6を検出しました。 その結果、ガス状の生成物は主としてH2およびCO2を含み、CH4およびC2H4の量は少なく、COは見出されませんでした。 温度は炭素ガスの効率に影響を及ぼしませんでした。
講演 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 機能化学研究部門
バイオベース材料化学グループ 主任研究員 花岡 寿明
「合成ガスを経由するリグニンから1,3-ブタジエン合成プロセスのシミュレーションと評価」
合成ガスを経由するリグニンからの1,3-ブタジエン合成プロセスを3つ提案しました。これらのプロセスは、合成ガスからn-ブテンを合成するルートを含んでおり、(1)直接合成、(2)ジメチルエーテル(DME)経由、(3)メタノール経由、という点で異なります。プロセスシミュレーションにより生成物収率、投入エネルギー、およびプロセスの利益(収支)を算出しました。その結果、DMEを経由するプロセスが最も高い収支が得られました。
司会 広島大学大学院工学研究科 教授 松村 幸彦