第71回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第46回広大ACEセミナー)を開催しました

日時 2019年1月24日(木)16:20~17:50

会場 広島大学東広島キャンパス工学部110講義室

プログラム

解説 広島大学大学院工学研究科  教授 松村 幸彦 

講演  広島大学大学院工学研究科  M2  橋本 壮侍
「水熱条件下における有機態リンの無機化・有機物のガス化特性」
近年のリン鉱石枯渇問題から下水汚泥などの廃棄物からリンを回収し、リン鉱石の代替資源として利用する研究が行われています。そこで,下水汚泥の処理方法の一つとして水熱処理が提案されていますが、水熱条件下での有機態リンの分解特性は明らかではありません。本研究では下水汚泥中の代表的な有機態リンの一つであるDNAを原料として水熱処理を行い、その無機化特性及びガス化特性を確認しました。その結果、200℃付近でDNAからリン酸が生成されました。

講演  広島大学工学部  B4 小川 寛太
「水熱反応場の直接質量分析」
水熱前処理は第二世代バイオエタノールの生産に関して、重要です。従って、前処理中に起こっている反応について知ることが必要となります。既往の研究ではDuangkaewらが、直接質量分析装置を使用することによって、これまで高温高圧で発見されていなかった物質を発見しました。それは水熱前処理の反応分析に効果的であることが分かります。しかし、ノズルスプレーでは、許容される圧力が限られました。本研究では、既往の研究より高温高圧での分析を可能とするためにニードルバルブを追加しました。 

【講習会】 ≪熱化学的変換≫
講演:広島大学大学院工学研究科  教授 松村 幸彦
エネルギー資源の枯渇が問題視されているなか、太陽エネルギーを使って生物が作り出すバイオマス資源は、再生可能エネルギーとして風力・太陽光などの自然エネルギーとともに注目されています。バイオマスの有効利用には、適切な変換を行って2次エネルギーにする必要があります。バイオマスエネルギーの変換には、1)物理的変換2)熱化学的変換3)生物化学的変換の3種類があります。今回のイブニングセミナーでは、バイオマスの熱化学的変換について紹介します。 

司会 広島大学大学院工学研究科  教授 松村 幸彦