日時 2019年3月7日(木)16:20~17:50
会場 広島大学東広島キャンパス工学部110講義室
プログラム
解説 広島大学大学院工学研究科 教授 松村幸彦
講演 広島大学大学院工学研究科 M1 藤原芳樹
「水熱条件下での下水汚泥からのカルシウムを用いたリンの回収」
リンは生命の活動に必須な元素ですが、近年リン資源の枯渇が懸念されています。そのため、新たなリン資源の獲得が必要であり、リンを多く含んでいる下水汚泥に注目が集まっており、処理方法として、有機物を短時間で分解できる水熱処理が期待されています。さらに、分解し、無機リンの状態になったリンにカルシウムを添加することによって、容易にリンを沈殿回収できる可能性があります。そこで、本研究では、カルシウムを用いてリンを水熱反応場から回収するため基礎的な検討を行うことを目的とします。
講演 広島大学大学院工学研究科 D3 Pattraporn CHANGSUWAN
「超臨界水中におけるグアヤコールの転換に及ぼす 反応器壁触媒の効果」
本研究では、超臨界条件下でのリグニンのモデル化合物としてのグアヤコールの生成物分布に及ぼす金属壁触媒の影響を調べました。 これを実証するために、グアヤコールのガス化のための触媒として作用する、Fe、Niおよび種々の金属を含有するステンレス鋼316反応器を使用しました。 実験は、600℃、25MPaで連続流反応器中で行い、反応器の異なる内径(2.17、4.35および9.40mm)を用いて滞留時間を90秒に固定しました。 結果は、TOC、固体、およびガスの炭素収率が反応器の内径によって影響されないことを示しました。
【講習会】 ≪システム≫
講演:広島大学大学院工学研究科 教授 松村幸彦
エネルギー資源の枯渇と地球温暖化が問題視されている中、太陽エネルギーを使って生物が作り出すバイオマス資源は、再生可能で炭素中立なエネルギーとして風力・太陽光などの自然エネルギーとともに注目されています。その利用に当たっては、資源・変換・システムの3つの観点からの議論が求められています。今回は、システムの観点でバイオマスを議論するときに求められる考え方をエネルギー、環境、経済を中心にお話しします。
司会 広島大学大学院工学研究科 教授 松村幸彦