第78回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第58 回広大ACEセミナー)を開催しました

■第78回広島大学バイオマスイブニングセミナー(58 回広大ACEセミナー)が開催されました。

日時 2019107日(月)16:2017:50

会場 広島大学東広島キャンパス工学部110講義室
https://www.hiroshima-u.ac.jp/eng/access/lectureroom
https://www.hiroshima-u.ac.jp/eng/access/building
https://www.hiroshima-u.ac.jp/access/higashihiroshima

 

 プログラム 

解説 広島大学大学院工学研究科  教授 松村 幸彦

 

講演  広島大学大学院工学研究科   D3      Puji Rahmawati NURCAHYANI

「超臨界ガス化における微細藻類分解の反応速度」
バイオマスはエネルギーを得るための再生可能資源です。その中でも、単細胞で光合成を行うバイオマスである微細藻類がバイオオイルのエネルギー源として紹介されました。しかし、超臨界水ガス化条件下でのガス化エネルギーを作るための可能性は明確にする必要があります。そこで、我々は連続式反応器を用いた600 oC, 25 MPaでの水中での微細藻類の分解について調査しました。その結果は、気体生成物だけでなく液体生成物が主な生成物であることを示しました。また、チャーやタールも同様に発見しました。そこで、我々は起こっている反応を、二次反応として表わされるタール状の物質を除いた一次反応として想定したモデルを構築しました。また、そのモデルのそれぞれの反応に対する反応速度も決定しました。

 

  

講演  広島大学工学研究科  B4       伊藤 嘉泰

「木質バイオマスの高濃度モデル化合物での超臨界水ガス化」
バイオマスの使用を検討し、木質バイオマスのモデル化合物としてグルコース、キシロース、グアヤコールの混合水溶液を使用して、超臨界水ガス化の影響を調査しました。以前の研究では、グルコース、キシロース、およびグアヤコールの濃度は0.1 wt%で行われました。しかし、0.1wt%では濃度が低く実用性に欠けていました。そのため、本研究では、濃度が5wt%の混合水溶液を用いて、超臨界水ガス化の影響を研究しています。

 

 

 講演 広島大学大学院工学研究科  M1    吉岡 大視

「竹におけるメタノール処理に関する研究」
現在、化石燃料から発生される二酸化炭素などによって地球温暖化が問題となっています。そのため注目が集まっているバイオマス資源の一つである竹にこの研究では着目しました。この竹をバイオマス資源として利用することが可能となれば大きなエネルギーとなります。しかしながら竹をそのまま燃焼させてしまうと竹に含まれるカリウムからクリンカーが発生してしまいます。そこで、クリンカーを発生させないために竹に含まれているカリウムを取り除く必要があります。

 

  

講演  広島大学大学院工学研究科     M1       廣瀬 佑太

「ペレットストーブの改善に関する研究」
本研究では、再生可能エネルギー、その中でもバイオマスエネルギーの木質ペレット燃料に着目し、この燃料を利用した暖房器具であるペレットストーブに着目しました。ペレットストーブは一般的に家庭で使用されるエアコンや石油ストーブと比較して再生可能エネルギーである木質ペレット燃料を利用しているという点は良いですが、使用していく上で様々な問題点や改善点を持っています。まず、ペレットストーブから排出される排気ガスは多くの熱を持ったまま排気管を通して屋外へと排出されており、ペレットストーブのエネルギー効率低下の大きな原因となっています。また、排気ガスにはススや健康に害を及ぼす可能性のある気体が含まれており、住宅街などで使用するとなると使用者はもちろんのこと、近隣住民へ害を及ぼす可能性があるといった改善すべき点があります。そこで本研究では、ペレットストーブの物質収支やエネルギー収支をもとめ、現在熱エネルギーがどのような原因で無駄となっているのかを確認しました。また、ペレットストーブの排気ガスに含まれるすすを回収し、どのようなすすがどれほど発生しているのかの調査をし、改善策の提案を行いました。 

 

司会 広島大学大学院工学研究科  教授 松村 幸彦

 

なお、18:00より意見交換会(参加費 800円)を開催します。ご都合の付く方はこちらにもご参加下さい。