第92回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第77回広大ACEセミナー) を共催しました。
日時 2021年2月9日(火)16:20~17:50
会場 広島大学東広島キャンパス工学部110講義室
プログラム
解説 広島大学大学院先進理工系科学研究科 教授 松村 幸彦
講演 広島大学大学院先進理工系科学研究科 M2 廣瀬 佑太
「ペレットストーブの排煙除去に及ぼす噴霧流量の影響」
煙の発生を抑制することはペレットストーブの普及拡大の上で重要です。 煙は空気中にすすの微粒子が浮遊したものです。気体中の浮遊粒子を除去するには、静電集塵機が多く用いられますが、産業規模でない家庭用ペレットストーブでは経済性などの観点で問題があります。これに対して、より安価な微粒子除去法として、スプレー噴霧が考えられます。この場合、単に水を噴霧するだけで微粒子が除去できる可能性があり、安価かつ高効率な煙抑制技術となる可能性があります。しかし、ペレットストーブにスプレーを加えたシステムの検討報告例がありません。そこで本研究では、ペレットストーブの排気ガスに液体を噴霧した際のすすの除去特性を確認することを目的としました。
講演 広島大学工学部 B4 鎌形 文佳
「メタノールを用いた竹からのカリウムの除去率」
竹は、成長速度は速く、燃焼の原料として期待されています。しかし、アルカリ金属含有量が高いため、その灰は低い温度で溶け、炉の円滑な運転を妨げます。竹を水で洗うとアルカリ金属を取り除くのに役立ちますが、得られる竹は水分含有量が高くなります。したがって、この研究では、乾燥工程の必要ない可燃性のメタノールを使用しました。目的は、メタノールを溶媒として使用した場合のカリウム除去率を決定することです。
講演 広島大学工学部 B4 菅沼 有維斗
「水熱処理を用いた鶏糞中からの窒素除去」
バイオマスには、タンパク質をはじめとするいくつかの窒素含有化合物が含まれており、分解によってアンモニアが生成されます。現在では、人口増加に伴う肥料需要の増加に対応するために、ハーバーボッシュ法によりアンモニアが大量に生産されており、現在では工業的に生産される最も一般的な化学品の一つとなっています。そこで、本研究では、実際の家畜排泄物の水熱処理において、亜臨界・超臨界条件下での固体・液体生成物を分析することで、家畜排泄物中の窒素の挙動を解明することを目的としています。
講演 広島大学大学院先進理工系科学研究科 M1 宮迫 信之介
「水熱条件下における有機体リンの挙動」
水熱処理におけるホスファチジルコリンの無機化特性を確認することを目的に実験を行いました。本研究においては、廃棄物系バイオマスに属する下水汚泥に主に含まれる有機体リンであるホスファチジルコリンを水に溶かし、1.0 wt%したものを試料として実験を行いました。 実験装置はSUS316製1/8インチ管および1/16インチ管から構成される連続式反応器を用い、滞留時間と反応時間の条件を変化させることで実験を行いました。 さらに、既往の研究で確認されたATPとDNAの無機化特性とも比較を行いました。
司会 広島大学大学院先進理工系科学研究科 教授 松村 幸彦