第82回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第65回広大ACEセミナー)を共催しました

第82回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第 65回広大ACEセミナー)を共催しました。

日時 2020年2月10日(月)16:20~17:50
会場 広島大学東広島キャンパス工学部110講義室

(場所)

プログラム

解説 広島大学大学院工学研究科  教授 松村 幸彦

講演 先端物質科学研究科 M2 廣谷 蘭

「酢酸生成菌と油糧微生物による新規Gas-to-Lipidsバイオプロセスの開発」

現在、化石資源はエネルギー生産において支配的な役割を担っているが、枯渇やその利用で生じる二酸化炭素が地球環境に及ぼす影響が懸念される。これらの問題に対し、我々は各産業分野で利用可能な油脂を生産するラビリンチュラ類オーランチオキトリウム属を用いたバイオリファイナリー技術による解決を試みている。本講演ではCO2を炭素源として酢酸を生成する酢酸生成菌とオーランチオキトリウム属を組み合わせた二段階発酵によるCO2からの油脂生産について紹介する。

講演 先端物質科学研究科 M2  堀尾京平
「マイクロバイオーム解析のための微生物細胞内mRNA直接検出法の開発」

環境中の微生物は互いに作用し合って生存しています。このような微生物集団の機能を解明するために、集団の発現遺伝子(mRNA)を解読するRNA-seqが利用されますが、「どの微生物が」「何を」しているかは不明です。そこで我々は、mRNAを微生物の細胞内で直接蛍光検出することで微生物の役割を可視化する方法を開発しました。この方法により、ヨーグルト中で共生関係にある乳酸菌の特異的検出に成功しました。

講演 広島大学大学院工学研究科 教授  松村幸彦
「2050年に向けた炭素源としてのバイオマス」

再生可能エネルギー全体の動向を考えると、太陽光発電の価格低下が著しく、蓄電システムさえあればその導入が広げられることが予想される。一方、中国をはじめとした電気自動車の導入の機運は、蓄電システムの普及と低コスト化を推し進めることが期待される。その中でバイオマスの位置づけについては、単純な発電利用ではなく、バイオマスが炭素源として利用できることを生かした利用を考える必要がある。我が国におけるバイオマスの炭素源利用の可能性をエネルギー統計に基づき、2050年に二酸化炭素の排出量をゼロにするシナリオと関連付けて議論する。
司会 広島大学大学院工学研究科  教授 松村 幸彦

なお、18:00より意見交換会(参加費800円)を開催します。ご都合の付く方はこちらにもご参加下さい。