■第85回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第 69回広大ACEセミナー)を共催しました。
日時 2020年6月15日(月)16:20~17:50
会場 広島大学東広島キャンパス工学部110講義室
プログラム
解説 広島大学大学院先進理工系科学研究科 教授 松村 幸彦
講演 広島大学大学院先進理工系科学研究科 M1 片山 智
「グルコースの水熱処理によるカルボン酸の生成」
石油代替燃料をバイオマスから得ることは持続可能な社会の実現のために不可欠なことである. 微生物を用いることで高品質な油を回収することが期待できる. その微生物が資化しやすい基質の中でカルボン酸はバイオマス技術を用いて比較的容易に生産できる可能性がある. 本研究ではバイオマスのモデル化合物としてグルコースを用いて水熱処理を行い, カルボン酸の生成特性について確認した.
講演 広島大学大学院先進理工系科学研究科 M1 伊藤 嘉泰
「高濃度バイオマスモデル化合物を用いた超臨界水ガス化のチャー生成抑制検討」
超臨界水ガス化ではチャーやタールといった物質がガス化と共に生成され、反応器を閉塞させるという問題があり、これらの生成の抑制を検討することが求められている。本研究では、リグノセルロース系バイオマスのモデル化合物の超臨界水ガス化を行った。原料には2.5wt%から7.5wt%の濃度のグルコース、キシロース、グアヤコールの混合液を用い、ガス化によって得られた固体・液体・気体生成物のそれぞれを分析した。
講演 広島大学大学院先進理工系科学研究科 M2 吉岡 大視
「竹のメタノール前処理に関する研究」
現 在、化石燃料から発生される二酸化炭素などによって地球温暖化が問題となっている。そのため注目が集まっているバイオマス資源の一つである竹にこの研究で は着目した。この竹をバイオマス資源として利用することが可能となれば大きなエネルギーとなる。しかしながら竹をそのまま燃焼させてしまうと竹に含まれる カリウムからクリンカーが発生してしまう。そこで、クリンカーを発生させないために竹に含まれているカリウムを取り除く必要がある。
講演 広島大学大学院先進理工系科学研究科 M2 廣瀬 佑太
「ペレットストーブのすす低減に関する研究」
煙の発生を抑制することはペレットストーブの普及拡大の上で重要である. 煙は空気中にすすの微粒子が浮遊したものである. 気体中の浮遊粒子を除去するには, 静電集塵機が多く用いられるが, 産業規模でない家庭用ペレットストーブでは経済性などの観点で問題がある. これに対して, より安価な微粒子除去法として, スプレー噴霧が考えられる. この場合, 単に水を噴霧するだけで微粒子が除去できる可能性があり, 安価かつ高効率な煙抑制技術となる可能性がある. しかしながら, ペレットストーブにスプレーを加えたシステムの検討報告例がない.そこで本研究では, ペレットストーブの排気ガスに液体を噴霧した際のすすの除去特性を確認することを目的とする.
司会 広島大学大学院先進理工系科学研究科 教授 松村 幸彦