第90回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第75回広大ACEセミナー) を共催しました。
日時 2020年12月1日(火)16:20~17:50
会場 広島大学東広島キャンパス工学部110講義室
プログラム
解説 広島大学大学院先進理工系科学研究科 教授 松村 幸彦
講演 広島大学大学院先進理工系科学研究科 教授 松村 幸彦
「バイオマス分野に関する共同研究の可能性/広島大学超高度エネルギー研究拠点の活動」
共同研究は必ずしも容易ではありません。これは、ある分野での常識がほかの分野ではそうではなく、自分が必要とするものがそのままの形で得られることは少ないためです。それでも、うまくいけばとても有効な成果を得ることができます。一つの事例として、広島大学超高度エネルギー研究拠点の活動を紹介します。2016年の設立以来、拠点のメンバーは各種のプロジェクトで共同研究を進めてきました。バイオマスに関しても、広島シナリオが描く分野のエネルギー研究者の相互理解に基づいて作られ、共同研究プロジェクトで外部資金を得ることにも成功しました。
講演 広島大学大学院工学研究科 D3 Pattraporn CHANGSUWAN
「超臨界水ガス化におけるグアヤコールからのチャー生成」
超臨界水ガス化(SCWG)は、再生可能エネルギーと廃棄物処理の相乗的応用を伴う適切な技術です。 しかしながら、副反応によって生成されたチャーの形成は、長時間の運転中に反応器の詰まりを引き起こし、プロセスにおける炭素ガス化効率を低下させます。本研究では、焼酎残渣(日本の蒸留液)を実際のバイオマスとして、グアヤコールをリグニンのモデル化合物として分解し、両方のタイプのバイオマスのガス化中の炭素生成物の収率と変換効率を予測しました。焼酎残渣とグアヤコールは、600°Cの温度と25MPaの圧力で連続フロー反応器で実施されました。 第一に、超臨界水ガス化反応器を設計するためには、実際の原料のガス化特性を決定することが常に必要です。湿った有機廃棄物のほとんどが固体と液体の成分で構成されていることを考えると、グアヤコール濃度(0.05〜1.0 wt%)と滞留時間(5〜94秒)が炭素生成収率とガス組成に及ぼす影響を調査した二次研究で、固形分は原料濃度の増加とともに増加しました。これは、固形分を生成する場合の1より大きい反応の順序を反映しています。 反応モデルを開発し、反応速度定数を決定して実験結果を再現することに成功しました。次に、グアヤコールと酢酸のようなラジカルとの相互作用が解明されました。酢酸は、SCWG条件下でグアヤコールからのラジカルチャー形成を阻害するための優れたラジカル捕捉剤であることがわかりました。相互作用パラメーターは、酢酸の添加が生成物の収率、特にチャーの収率に大きな影響を与えることを示しました。
司会 広島大学大学院先進理工系科学研究科 教授 松村 幸彦