Author Archives: 児玉 文緒

3/16 講習会「基礎からわかるバイオ燃料」が開催されました

「講習会:基礎からわかるバイオ燃料」

以下の通り、今年も「講習会:基礎からわかるバイオ燃料」を開催します。バイオ燃料について基礎からわかりやすく説明するとともに、最新の状況についても情報提供を行います。今回は、日本のガス化の第一人者である笹内様に小型ガス化のお話をいただきます。バイオ燃料に関する知識の整理や、バイオマス分野の新入社員の研修などにもご利用いただければ幸いです。

         記

「講習会:基礎からわかるバイオ燃料」

主催:中国地域バイオマス利用研究会
   広島大学バイオマスプロジェクト研究センター
   広島大学エネルギー超高度利用研究拠点(広大ACE)

日時:2020年 3月 16日(月)13:00~16:30

場所: サテライトキャンパスひろしま 5階  504講義室(広島県民文化センター5階)
    広島県広島市中区大手町1丁目5−3
https://jpn01.safelinks.protection.outlook.com/?url=https%3A%2F%2Fwww.pu-hiroshima.ac.jp%2Fsite%2Fsatellite%2F&data=02%7C01%7Cshu18%40hiroshima-u.ac.jp%7Cbff38c3b874847f4010908d7a65e1d06%7Cc40454ddb2634926868d8e12640d3750%7C1%7C1%7C637160795452299548&sdata=Bf93U8OOngoJYOgnKY8RrqNxH6bP1IoJ%2BFnkNljtArw%3D&reserved=0
    ※エディオン本館から南へ約100m

プログラム:

13:00-13:05 開会挨拶
       中国地域バイオマス利用研究会 会長
       広島大学バイオマスプロジェクト研究センター センター長
         松村 幸彦

13:05-13:45 広島大学 大学院先端物質科学研究科 教授 中島田 豊
       「バイオメタン」

13:45-14:25  広島大学 大学院工学研究科 教授 松村 幸彦
       「バイオディーゼル」

14:25-14:35 休憩

14:35-15:15 県立広島大学 生命環境学部環境科学科 准教授 青栁 充
       「ウッドペレット」

15:15-15:55 株式会社PEO技術士事務所 代表取締役 笹内謙一 
       「小型ガス化」

15:55-16:15 総合討論

16:15-16:20 閉会挨拶
       広島大学バイオマスプロジェクト研究センター 副センター長
       中島田 豊

司会:広島大学 大学院工学研究科 教授 松村 幸彦

参加費:
   事前割引(3/5まで) 
    5,000円(中国地域バイオマス利用研究会会員)   8,000円(非会員)
   当日
    6,000円(中国地域バイオマス利用研究会会員)   10,000円(非会員)

参加申し込みサイト:
以下のサイトからお申し込みください。 (リンク)

第54回機械システム工学講演会が開催されました

日時:2020年2月20日(木) 10:30-12:00

場所:A3-131号室

講演:広島大学大学院工学研究科機械物理工学専攻
 難波 愼一教授

「プラズマ工学の基礎と
量子ビーム科学への展開」

高温流体であるプラズマからは元素特有の発光が生じるため,量子力学の発展や原子構造解明に寄与してきた.一方,プラズマの応用範囲は広く,溶接や切断等の材料プロセス,半導体製造,屋内環境改善,電気推進,核融合エネルギーをはじめ,最近では医療分野にまでその裾野を拡げている.

本講演ではプラズマ発生の基礎とその応用について簡単に紹介する.特に,アークプラズマ,グロープラズマ,レーザープラズマ,核融合プラズマを中心に,プラズマの身近な応用から量子ビーム科学への展開までを取り上げる.

連絡先(世話人): 松村幸彦(内7561)

第83回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第 66回広大ACEセミナー)を共催しました

第83回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第 66回広大ACEセミナー)を共催しました。

日時 2020年3月2日(月)16:20~17:50
会場 広島大学東広島キャンパス工学部110講義室 (詳細

プログラム

解説 広島大学大学院工学研究科  教授 松村 幸彦

講演 広島大学大学院工学研究科  D3 Rahmat Iman MAINILl
「パーム油工場廃液の超臨界水ガス化」

パーム油は、環境に有害な深刻な廃棄物の副産物を持つインドネシアの主要産業です。しかし、バイオマス資源として優れた可能性を秘めています。パーム油工場廃水(POME)は、パーム油生産プロセスから発生する最も問題のある廃棄物です。水、油、固形物、懸濁固形物、およびリンなどの多くの貴重な栄養素で構成されています。超臨界水ガス化(SCWG)は、バイオ廃棄物を貴重なガスに熱化学的に変換するための有望な方法です。エネルギー生産と並行して貴重な栄養素を回収することで、このプロセスをより経済的に有益なものにすることができます。 SCWGによるPOMEからのガスとリンの生産に関する包括的な研究はありません。そのため、プロセスを最適化するには、製品、反応メカニズム、および反応速度の評価が不可欠です。さらに、POME変換に対する加熱速度の影響の研究は、POMEリサイクルプロセスの最適化の指針となる可能性があります。 POME変換に加えて、モデル化合物(グリセルアルデヒド)の速度論的研究は、熱水ガス化におけるリグノセルロース系バイオマス変換の詳細なメカニズムの重要なポイントを提供します。

講演 京都大学生存圏研究所 助教  柳川 綾
「多様性から考える自然と農業」

これまで人類は、産業と農業を通して文明を発展させてきました。しかし前提となっていた自然環境が失われていく中で、我々は、産業と農業の活動を通して、より豊かで調和のとれた自然界との関係を確立しなくてはなりません。本講演では、農業活動に重点を置き、自然生態系と農業生態系からみた多様性について紹介し、その在り方についてともに考えてみたいと思います。

司会 広島大学大学院工学研究科  教授 松村 幸彦

なお、18:00より意見交換会(参加費 800円)を開催します。ご都合の付く方はこちらにもご参加下さい。

第82回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第65回広大ACEセミナー)を共催しました

第82回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第 65回広大ACEセミナー)を共催しました。

日時 2020年2月10日(月)16:20~17:50
会場 広島大学東広島キャンパス工学部110講義室

(場所)

プログラム

解説 広島大学大学院工学研究科  教授 松村 幸彦

講演 先端物質科学研究科 M2 廣谷 蘭

「酢酸生成菌と油糧微生物による新規Gas-to-Lipidsバイオプロセスの開発」

現在、化石資源はエネルギー生産において支配的な役割を担っているが、枯渇やその利用で生じる二酸化炭素が地球環境に及ぼす影響が懸念される。これらの問題に対し、我々は各産業分野で利用可能な油脂を生産するラビリンチュラ類オーランチオキトリウム属を用いたバイオリファイナリー技術による解決を試みている。本講演ではCO2を炭素源として酢酸を生成する酢酸生成菌とオーランチオキトリウム属を組み合わせた二段階発酵によるCO2からの油脂生産について紹介する。

講演 先端物質科学研究科 M2  堀尾京平
「マイクロバイオーム解析のための微生物細胞内mRNA直接検出法の開発」

環境中の微生物は互いに作用し合って生存しています。このような微生物集団の機能を解明するために、集団の発現遺伝子(mRNA)を解読するRNA-seqが利用されますが、「どの微生物が」「何を」しているかは不明です。そこで我々は、mRNAを微生物の細胞内で直接蛍光検出することで微生物の役割を可視化する方法を開発しました。この方法により、ヨーグルト中で共生関係にある乳酸菌の特異的検出に成功しました。

講演 広島大学大学院工学研究科 教授  松村幸彦
「2050年に向けた炭素源としてのバイオマス」

再生可能エネルギー全体の動向を考えると、太陽光発電の価格低下が著しく、蓄電システムさえあればその導入が広げられることが予想される。一方、中国をはじめとした電気自動車の導入の機運は、蓄電システムの普及と低コスト化を推し進めることが期待される。その中でバイオマスの位置づけについては、単純な発電利用ではなく、バイオマスが炭素源として利用できることを生かした利用を考える必要がある。我が国におけるバイオマスの炭素源利用の可能性をエネルギー統計に基づき、2050年に二酸化炭素の排出量をゼロにするシナリオと関連付けて議論する。
司会 広島大学大学院工学研究科  教授 松村 幸彦

なお、18:00より意見交換会(参加費800円)を開催します。ご都合の付く方はこちらにもご参加下さい。

水素・次世代エネルギー研究会セミナー2019 vol.1を共催しました

水素・次世代エネルギー研究会セミナー2019 Vol.1
ー多様な水素利活用で豊かな未来を-

【日時】
令和元年11月6日(水曜日) 13時30分から16時30分

【場所】
TKPガーデンシティPREMIUM広島駅前
(広島市南区大須賀町13-9 ベルヴュオフィス広島4階)

【主催】
水素・次世代エネルギー研究会
中国経済産業局、一般社団法人中国経済連合会、東広島市、広島市
公益財団法人広島市産業振興センター、公益財団法人中国地域創造研究センター
広島大学【第61回 広島大学エネルギー超高度利用研究拠点セミナー】

第65回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第34回広大ACEセミナー)が開催されました

■第65回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第34回広大ACEセミナー)が開催されました

(English announcement can be found in the latter half of this notice.)

日時 2018年 6月 4日(月)16:20~17:50

会場 広島大学東広島キャンパス工学部110講義室

プログラム

解説 広島大学大学院工学研究科  教授 松村幸彦

講演 中国電力株式会社エネルギア総合研究所総合エネルギー技術グループ副長

(主管研究員),工学博士,技術士      和田 泰孝

「焼酎粕の1ヵ月連続DSS超臨界水ガス化試験計画について」

焼酎粕は含水性バイオマスで,腐敗し易く重いため輸送や廃棄コストが非常に高いです。超臨界水ガス化技術を使うと含水性バイオマスである焼酎粕を燃料ガスへ変換可能であり,蒸溜蒸気供給と排水処理を行う事ができます。ラジカル補足剤と急速加熱の効果で60 h DSS連続ガス化試験に成功しており,焼酎工場での実用化を目指したNEDOプロジェクトとしてパイロット装置を改造し行う1ヶ月連続DSS 試験を計画中なので御報告します。

講演 広島大学大学院工学研究科 M1   横山 裕生

「水熱粉砕における発酵阻害物質生成」

 今回の研究の目的は,ディスクミルを用いた水熱粉砕前処理時に得られる液相中に溶解していると考えられる発酵阻害物質の特定と定量です。今回の研究に使用した試料は初期粒径2.0-2.8 mmのユーカリであり,それをディスク間距離の条件を0.5, 1.0, 1.5 mmと変えて,水熱温度130 ℃,ディスクの回転速度100 rpmで前処理を行ったものでした。得られた液相は高速液体クロマトグラフィーによって分析しました。その結果,発酵阻害物質として醋酸,ギ酸が微量計測されました。

司会 広島大学大学院工学研究科  博士研究員   Nattacha PAKSUNG

 

第64回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第33回広大ACEセミナー)が開催されました

■第64回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第33回広大ACEセミナー)が開催されました

(English announcement can be found in the latter half of this notice.)

日時 2018年 5月 7日(月)16:20~17:50

会場 広島大学東広島キャンパス工学部110講義室

プログラム

解説 広島大学大学院工学研究科  教授 松村幸彦

講演 広島大学大学院先端物質科学研究科   M1  伊地修平

「海洋性メタン発酵法による含塩有機廃棄物の処理検討」

メタン発酵法は、微生物を利用しエネルギー資源であるメタンを生産する技術です。現在、新バイオマスとして注目されてきている高塩有機物は、水分量が多くメタン発酵によるエネルギー回収が適していますが、塩分によってメタン発酵が阻害されます。当研究室ではそれらの有機物の処理に海洋底泥が有用であると見出しました。本研究では、高塩有機物への海洋底泥中微生物の適用可能性を検討しました。これにより、味噌などの高塩有機物でも問題なくメタン生成が行えました。

講演 広島大学大学院工学研究科     M2   市原 悠人

「水熱処理と触媒による藻類バイオマスの分解生成物」

藻類バイオマスは膨大な賦存量、カーボンニュートラル、貯蓄性があるバイオマスです。しかし水熱処理による藻類バイオマスの分解生成物はまだ解明されていません。そこで本研究では藻類バイオマスであるクロレラとスピルリナをオートクレーブと触媒を用いて水熱処理をしました。滞留時間は60分で固定し温度を200℃, 250℃, 300℃の三条件、触媒は触媒無し、硫酸、水酸化カリウムの三条件、計九条件で実験を行いました。回収サンプルのうちガスサンプルはガスクロマトグラフィー(GC)、液相は元素分析装置(CHNS)、固相は走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察しました。水熱処理後、触媒のKOH、300℃においてどちらのバイオマスも最も細胞が破壊されていることが確認できました。

講演 広島大学大学院工学研究科    D2  Rahmat Iman MAINIL

「超臨界水中のレトロアルドール変換機構」

超臨界条件下でのモデル化合物としてのバイオマスの挙動に関する研究の大部分は、まだ未知の全有機炭素(TOC)が残っていると説明されている不明確なメカニズムを残しています。シンプルなモデル化合物としてのグリセルアルデヒドは、熱い圧縮水の下でのキシロースの分解において見出される主要生成物と考えられているレトロアルドール生成物の詳細なメカニズムを理解するために利用することができます。この研究では、グリセルアルデヒドを脱イオン水に溶解し、連続反応器内で350〜450℃の温度範囲で25MPaで加熱しました。液体流出物中のコンパンドを同定するために、高性能液体コモグラフィーを用いました。この研究で観察された中間体はレトロアルドール生成物(グリコールアルデヒド、ホルムアルデヒド、ジヒドロキシアセトンおよびアセトアルデヒド)でした。反応速度論は、すべての反応が一次であると仮定して決定しました。 Arreheniusの挙動は、反応をフリーラジカル反応(超臨界領域におけるアレニウス反応を示す)およびイオン反応(超臨界領域におけるアレニウス反応を示さない)として分類するために用いられました。

講演 広島大学大学院工学研究科     M1 横山 裕生

「ディスクミルを用いた水熱粉砕前処理時に発生する発酵阻害物質の特定と定量」

 今回の研究の目的は,水熱粉砕前処理時に得られる液相中に溶解していると考えられる発酵阻害物質の特定と定量です。今回の研究に使用した試料は初期粒径1.0-2.0, 2.0-2.8, 2.8-3.3, 3.3-4.0 mmのユーカリを130 ℃,100 rpmで前処理を行ったものでした。得られた液相は高速液体クロマトグラフィーによって分析しました。その結果,発酵阻害物質として醋酸,ギ酸が微量計測されました。

司会 広島大学大学院工学研究科  教授 松村幸彦

第63回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第32回広大ACEセミナー)が開催されました

■第63回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第32回広大ACEセミナー)が開催されました

(English announcement can be found in the latter half of this notice.)

日時 2018年 4月 23日(月)16:20~17:50

会場 広島大学東広島キャンパス工学部110講義室

プログラム

解説 広島大学大学院工学研究科  教授 松村幸彦

講演 広島大学大学院工学研究科 M1   藤原 芳樹

「水熱条件下におけるカルシウムを用いたリンの回収」

リンは生命の活動に必須な元素ですが、近年リン資源の枯渇が懸念されています。そのため、新たなリン資源の獲得が必要であり、リンを多く含んでいる下水汚泥に注目が集まっており、処理方法として、有機物を短時間で分解できる水熱処理が期待されています。さらに、分解し、無機リンの状態になったリンにカルシウムを添加することによって、容易にリンを沈殿回収できる可能性があります。そこで、本研究では、カルシウムを用いてリンを水熱反応場から回収するため基礎的な検討を行うことを目的とします。

講演 広島大学大学院工学研究科  教授 松村幸彦

「MWCNTを用いたグルコースの水熱処理によるレブリン酸の生成」

レブリン酸は燃料添加剤やプラスチック原料などを合成する際の基幹物質として重要です。化石燃料の枯渇に伴い、草や木などの木質系バイオマスからレブリン酸を生成することが必要とされています。これまで、その生成過程において硫酸や塩酸などの強酸触媒を用いた処理方法が研究されてきましたが、それらの触媒は強酸かつ液体であることから廃液処理の工程や再利用性といった点に問題を抱えています。そこで,本研究では固体である多層カーボンナノチューブを触媒として用い、グルコースの水熱処理におけるレブリン酸の生成収率を確認しました。

講演 広島大学大学院工学研究科   D3  Apip AMRULLAH

1.「水熱処理中の下水汚泥構造の同定」

本研究では、水熱処理(HT)中の下水汚泥構造の実験的同定を示します。 下水汚泥の細胞構造を同定するために、HT温度を変化させました。 この研究では、活性汚泥を、130℃〜250℃の温度範囲で5MPaの固定圧力下で連続反応器を用いて水熱処理しました。 液体試料(非許容有機炭素、NPOC)および溶解した気体生成物(無機炭素、IC)中に存在する全炭素を定量するために、全有機炭素(TOC)分析器を用いて液体試料を分析しました。 固体試料を、ZEN顕微鏡2.3ブルー版を用いて、目的のLD A-Plan 40x / 0.55 Ph1および倍率40xで観察した。 180℃で細胞が壊れ始め、温度によりTOCが上昇したことが観察されました。

2.「下水汚泥の水熱処理における液相有機物の挙動」

熱水処理(HT)は、低エネルギー消費および燃料エネルギー密度の増加への貢献のために、有機廃棄物の前処理のための有望な選択肢です。 HTは、脱水のためのエネルギー効率的な方法としても採用されています。 本研究では、下水汚泥を130〜250℃の温度範囲で5MPaの一定圧力下で水熱条件下で管状反応器で処理し、液体および固体の最終生成物を分析しました。 本研究の目的は、下水汚泥の高温時における液相有機物の温度変化による挙動を調べることです。 全有機炭素は温度とともに増加しました。

司会 広島大学大学院工学研究科 博士研究員 Nattacha PAKSUNG

 

シンポジウム「講習会:基礎からわかるバイオ燃料」が開催されました

2018年3月14日に広島の広島大学東千田キャンパスで第18回広島大学バイオマスプロジェクト研究センターシンポジウム(第5回広島大学エネルギー超高度利用研究拠点シンポジウム)/第13回中国地域バイオマス利用研究会講演会「講習会 基礎からわかるバイオ燃料」が開催されました。以下に概要を報告します。

 

■■■2018 03/14 広島 シンポジウム 「講習会:基礎からわかるバイオ燃料」■■■

主催:中国地域バイオマス利用研究会

    広島大学バイオマスプロジェクト研究センター

共催:広島大学エネルギー超高度利用研究拠点(広大ACE)

後援:中国経済産業局(予定)

   :中国四国農政局(予定)

日時:2018年 3月 14日(水)13:00~17:00

場所:広島大学 東千田キャンパス 未来創生センター2F M202号講義室

https://www.hiroshima-u.ac.jp/access/senda

(広島県広島市中区東千田町1-1-89 )

 

参加費:無料

プログラム:

13:00-13:05 開会挨拶

         中国地域バイオマス利用研究会 会長

         広島大学バイオマスプロジェクト研究センター センター長

          松村 幸彦

13:05-13:45 県立広島大学 生命環境学部 環境科学科 准教授 青栁 充

          「ウッドペレット」

13:45-14:25  広島大学大学院 工学研究科 教授 松村 幸彦

           「バイオディーゼル」

14:25-14:35 休憩

14:35-15:15  産業技術総合研究所 機能化学研究部門 バイオ変換グループ

         グループ長    松鹿 昭則 

           「バイオエタノール」

15:15-15:55 広島大学大学院 先端物質科学研究科 教授 中島田 豊

           「バイオメタン」

15:55-16:15 総合討論

16:15-16:20 閉会挨拶

          広島大学バイオマスプロジェクト研究センター 副センター長

          中島田 豊

 

第62回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第29回広大ACEセミナー)を開催しました

■第62回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第29回広大ACEセミナー)が開催されました

(English announcement can be found in the latter half of this notice.)

日時 2018年 3月 2日(金)16:20~17:50

会場 広島大学東広島キャンパス工学部110講義室

プログラム

解説 広島大学大学院工学研究科  教授 松村幸彦

講演  広島大学大学院工学研究科 M2   伊藤 大志

「水熱前処理におけるコンブ細胞および有機物の挙動」

コンブはマンニトールやアルギン酸など発酵可能糖を含む再生可能エネルギー資源として有用な物質です。しかしこのような有機物の多くはコンブの細胞内または細胞壁に含まれています。水熱前処理は細胞構造を破壊し有機物を取り出すことができます。コンブから適当に有機物を取り出すためには、コンブ細胞がどのような水熱条件下で破壊されるかの知見を得ることは重要です。しかし上記のような研究は未だ報告されていません。本研究ではコンブを、連続式試験装置を用いて水熱前処理しました。圧力、滞留時間は5 MPa、10分で固定し温度を110℃から190℃で変化させました。回収サンプルのうち液相は全有機炭素(TOC)分析、固相は光学顕微鏡を用いて観察しました。水熱前処理後、TOCの値は130℃において上昇しました。固体観察においても130℃における処理物のサンプルの細胞が破壊されていることが確認できました。以上の結果から、コンブの水熱前処理において130℃、5 MPa、滞留時間10分の条件はコンブ内の有機物を取り出すのに有効であることが確認できました。

講演 広島大学工学部  B4   黒木 睦美

1.「キャピラリー管を用いた水熱条件下からの直接サンプリングの検討」

近年、エネルギー需要の増加に伴い、化石燃料の枯渇や地球温暖化が深刻な課題となっています。それゆえ、化石燃料の代替となる再生可能エネルギー源に注目が集まっています。中でも有望視されているのがバイオマスで、特に、非可食部バイオマスから作られた第二世代バイオエタノールが注目されています。しかし、現段階では収率が低く実用化には至っていません。収率をあげるためには高性能の前処理による処理効率の改善が必要ですが、そのためには、短時間に高温で反応場に存在する他の化合物を検出することが重要です。本研究では、キャピラリー菅を用いて水熱条件下でそのような化合物を検出することができる反応場質量(in situ MS)分析システムを開発しています。質量分析に必要な真空圧力まで減圧させ、分析を行うことに成功しました。キャピラリー菅を長くすることにより、より高圧の状態での分析も可能になると考えています。

2.「質量分析法による熱水分解グルコース分解物の定量」

キャピラリーチューブを用いたin-situ質量分析(in situ MS)分析法を初めて開発しました。 In situMS分析は、管状反応器を四重極質量分析器とステンレスキャピラリー管を介して連結することによって行いました。 グルコース分解の生成物をin situ MSにより調べました。 120℃で実験を行い、反応時間は5,10,20分でした。 減圧が成功し、MS分析が行われました。 キャピラリーを長くすることにより、この研究で使用されているよりも高い圧力下での反応にin situ MSを適用すべきです。

講演 広島大学大学院工学研究科   M2   五藤 聡

「超臨界水ガス化反応器に対するスラリー供給に関する考察」

水分を多量に含む含水系バイオマスは処理方法の更なる効率化が求められています。そこで超臨界水ガス化が提案されていますが、実験を行うにあたってスラリー状の含水性バイオマスを均一に反応器に供給する手段は未だ確立されていません。スラリー状の試料を用いた研究は多くなされていますが、その試料の撹拌・供給の過程を正確に記述しているものは見られず、物質収支が報告されていないため、適切な供給方法の確立が求められます。 そこで本研究では、スラリー状の試料の供給システムの検討を行いました。

司会 広島大学大学院工学研究科 博士研究員 Nattacha PAKSUNG

第61回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第27回広大ACEセミナー)が開催されました

■第61回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第27回広大ACEセミナー)が開催されました

(English announcement can be found in the latter half of this notice.)

日時 2018年 2月 14日(水)16:20~17:50

会場 広島大学東広島キャンパス工学部110講義室

プログラム

解説 広島大学大学院工学研究科  教授 松村幸彦

講演 広島大学大学院先端物質科学研究科  M2    中路 彩

「Moorella thermoaceticaの糖、H2-CO2代謝におけるformate-tetrahydrofolate ligase(FTL)の機能解析」

近年、CO2を利用した物質生産が着目されています。当研究室では、合成ガス資化能を有する好熱性Moorella thermoacetica ATCC39073株を宿主とする遺伝子組換えエタノール生産株の作製に成功しました。しかし、本代謝改変株は糖を基質とした場合、エタノールを生産したが、H2+CO2ガスでは生育しませんでした。この時、ギ酸が蓄積していたことから、Formate-tetrahydrofolate ligase(FTL)が律速となっている可能性が考えられました。そこで、本研究ではFTL遺伝子を導入した変異株を作製し、その特性を解析しました。

講演 広島大学大学院工学研究科  M2   五藤 聡

「焼酎残渣の超臨界水ガス化の反応モデル」

超臨界水ガス化は特に含水性バイオマスに対して完全ガス化のポテンシャルを有しています。しかし、望ましくないチャーおよびタールが反応器の閉塞を招きガス化効率を下げることが懸念されます。酢酸はラジカル補足材としてそれらを抑制することが期待できますが、定量的に評価された研究はいまだありません。そこで本研究では実際のバイオマスを用いた超臨界水ガス化において酢酸の影響を決定し、反応モデルを適用しました。

講演 広島大学大学院工学研究科 博士研究員  Nattacha PAKSUNG

1.「トマトの残渣の超臨界水ガス化」

農業残渣はバイオマス原料とし、エネルギーに変換できます。このバイオマスを効率よくエネルギーに変換する技術の一つに超臨界水ガス化があります。この技術は水中で処理を行うので原料が水を含有していても問題なく高い反応性を持っています。本研究は条件不利地域の北広島町で得たトマト残渣の超臨界水ガス化に注目しました。

2.「グルコースの亜臨界水ガス化に及ぼすフェノールの影響」

バイオマスを効率よくエネルギーに変換する技術の一つに超臨界水ガス化があります。この技術は高温高圧条件下での熱水反応を用いたエネルギー回収法であり、水中で処理を行うので、原料のバイオマスが水を含有していても問題はなく、高い反応性を持っています。さらに、乾燥プロセスが必要でなく、水素収率が高いため、有望な技術です。しかし、バイオマスは色々な化合物があり、プロセスを最適化するのに困難です。それによって、バイオマスの変換する反応機構を検討するのが必要です。リグノセルロース系バイオマスではセルロース、ヘミセルロース、リグニンである。本研究では亜臨界及び超臨界水中におけるリグノセルロース系バイオマスのガス化を検討します。セルロースのモデル物質としてグルコースを用い、グルコースの亜臨界水ガス化に及ぼすフェノールの影響に注目しました。

司会 広島大学大学院工学研究科  教授 松村 幸彦

第60回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第25回広大ACEセミナー)が開催されました

■第60回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第25回広大ACEセミナー)が開催されました

(English announcement can be found in the latter half of this notice.)

日時 2018年 1月 11日(木)16:20~17:50

会場 広島大学東広島キャンパス工学部110講義室

プログラム

解説 広島大学大学院工学研究科  教授 松村幸彦

講演 広島大学大学院工学研究科  M2    木原 潔人

「溶解セルロースにおける酵素加水分解速度」

木質系バイオマスからバイオマスエネルギーを生成するプロセスの1つである酵素加水分解は、コストと時間がかかるという課題を持っています。そこで高温高圧水中にセルロースを溶解させることでプロセスの効率化を図り、またその反応モデルを考察しました。水熱溶解セルロースは300 oC, 15MPa条件で生成され、酵素加水分解は72 hの間それぞれの時間にサンプルを採取し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で定量されました。

講演 広島大学大学院工学研究科  M2 菱田 賢吾

「水熱ディスクミル粉砕における初期粒径とディスク間距離の影響」

リグノセルロース系バイオマスからバイオエタノールを生成する過程において、前処理は最終的なエタノール収率を左右する重要な過程です。本研究ではディスクミルを用いた水熱粉砕処理において、初期粒径とディスク間距離が及ぼす影響について調査しました。各ディスク間距離によって、最適な初期粒径は異なったという結果が得られたが、これは反応器内において異なる粉砕メカニズムによって粉砕されているからであると考えられます。

講演 広島大学大学院先端物質科学研究科 D3  Farida RAHAYU

「Moorella thermoaceticaのエタノール産生形質転換体によるリグノセルロース加水分解産物からの好熱性エタノール発酵の最適化」

2つのホスホトランスアセチラーゼ遺伝子 pdul1 および pdul2 を欠損させ、プロモーター によって制御された本来持つアルデヒドデヒドロゲナーゼ遺伝子(aldh)をグリセルアル デヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼから導入することにより、リグノセルロース系バイオマ スからの好熱エタノール生産のための Moorella thermoacetica の形質転換体を構築しました。 形質転換体は、リグノセルロースの酸加水分解によって処理された加水分解物中の糖をエタノールに変換する発酵に成功し、この結果はこの形質転換体をエタノール生産のためにリグノセルロース系バイオマス中の糖を発酵させるのに用いることができることを示唆しています。本研究では、形質転換体を使用して、実際のリグノセルロース原料からエタノールへの加水分解物の発酵能力を決定し、3種類のリグノセルロース加水分解物について発酵試験を実施しました。3種のリグノセルロースは杉由来の木質、森林の残渣および稲の藁であり、168 時間、55℃が発酵の最適条件です。我々が現在得ている知見は、遺伝子組み換えされた M. thermoacetica による好熱性発酵が、リグノセルロース系バイオマスからエタノールを製造するための実現可能なプロセスであることを実証しました。

講演 広島大学大学院工学研究科 M2  Kunassanan Siribunyaroj

「超臨界水ガス化におけるグリシン分解」

近年、地球温暖化や化石燃料の枯渇による再生可能エネルギーに注目が集まっています。再生可能エネルギーの中でバイオマスからのバイオエネルギーという選択肢があります。含水性バイオマスを再生可能エネルギーに変化する方法としては超臨界ガス化が有効な技術の一つの方法です。超臨界水の条件は温度が374度で圧力が22.1メガパスカルになります。既往の研究では、超臨界水ガス化に置けるアミノ酸分解の挙動を解明するためにグリシンが使われています。グリシンを選んだ理由は、グリシンはもっともシンプルなモデル化合物であるからです。しかしながらこの研究はガス化率を示しただけであり、グリシン分解反応の完全な解明のためには窒素および炭素化合物の挙動を解明することが必要です。だから、グリシン分解における超臨界水ガス化の様々な条件下で窒素と炭素の挙動を解明することを目的にしました。この実験は管型反応器が使われています。実験条件は温度が450度、圧力が25メガパスカル,滞留時間が5秒、原料濃度が1-5wt%になります。この実験によると、グリシン分解物における窒素化合物のほとんどがアンモニアおよびメチルアミンとして存在していました。この実験では、二酸化炭素、水素、メタンが主要な気体生成物でした。

司会 広島大学大学院工学研究科 研究員 Nattacha PAKSUNG