Author Archives: 児玉 文緒

第59回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第24回広大ACEセミナー)が開催されました

■第59回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第24回広大ACEセミナー)が開催されました

(English announcement can be found in the latter half of this notice.)

日時 2017年 12月 6日(水)16:20~17:50

会場 広島大学東広島キャンパス工学部110講義室

プログラム

解説 広島大学大学院工学研究科  教授 松村幸彦

講演 広島大学大学院先端物質科学研究科 教授 秋 庸裕

「海洋微生物を活用する油脂バイオリファイナリー」

海洋性微生物オーランチオキトリウムを利用して、食品産業廃棄物、生活・産業廃水、非可食草木類、大型藻類などの未利用バイオマスから、健康食品や医薬品となる高度不飽和脂肪酸、化粧品や養殖用飼料向けの需要が高まっている抗酸化カロテノイド、さらに化成品素材やバイオ燃料までを視野に入れて各種有用油脂を持続的に供給するバイオリファイナリー技術の確立をめざしています。本講演では、微生物育種を含む最近の進展を紹介します。

講演 広島大学大学院先端物質科学研究科  M2 宮本 翔太

「メタン発酵菌叢の油脂分解メカニズムの解明」

難分解性物質である高級脂肪酸に対して高いメタン生成活性を有する菌叢が当研究室で見いだされました。しかし、菌叢解析の結果、高級脂肪酸分解に関与する微生物は検出されず、複合微生物による分解が示唆されました。そこで本研究では、油脂分解メカニズムを明らかにするために、遠心分離処理や希釈法を用いた油脂分解活性に関与する微生物集団のスクリーニング法を検討しました。

講演 広島大学大学院工学研究科 M2  伊藤 大志

「水熱前処理におけるコンブ細胞の挙動」

コンブはマンニトールやアルギン酸など発酵可能糖を含む再生可能エネルギー資源として有用な物質です。しかしこのような有機物の多くはコンブの細胞内または細胞壁に含めれています。水熱前処理は細胞構造を破壊し有機物を取り出すことができます。コンブから適当に有機物を取り出すためには、コンブ細胞がどのような水熱条件下で破壊されるかの知見を得ることは重要です。しかし上記のような研究は未だ報告されていません。本研究ではコンブを、連続式試験装置を用いて水熱前処理しました。圧力、滞留時間は5 MPa、10分で固定し温度を110℃から130℃で変化させました。回収サンプルのうち液相は全有機炭素(TOC)分析、固相は光学顕微鏡を用いて観察しました。水熱前処理後、TOCの値は130℃において上昇しました。固体観察においても130℃における処理物のサンプルの細胞が破壊されていることが確認できました。以上の結果から、コンブの水熱前処理において130℃、5 MPa、滞留時間10分の条件はコンブ内の有機物を取り出すのに有効であることが確認できました。

司会 広島大学大学院工学研究科 研究員 Nattacha PAKSUNG

第58回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第23回広大ACEセミナー)が開催されました

■第58回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第23回広大ACEセミナー)が開催されました

(English announcement can be found in the latter half of this notice.)

日時 2017年 11月 8日(水)16:20~17:50

会場 広島大学東広島キャンパス工学部110講義室

プログラム

解説 広島大学大学院工学研究科  教授 松村幸彦

講演 広島大学大学院先端物質科学研究科 准教授 岡村 好子

「CREST研究まとめ 海藻バイオマス発酵廃液処理と金属資源・バイオオイル回収」

CRESTチーム全体の目標は、大型藻類の完全資源化・ゼロ廃棄物でした。そこで私たちは、そこで発酵廃液中の金属イオンの除去・回収に資する光合成細菌の探索とコレクションを行い、吸着メカニズムを解明し、100%除去あるいは回収出来るようになりました。さらに、廃液中の低級有機酸を軽油に変換する細菌も取得しました。実際の発酵液中の有機酸が完全に消費されたことを確認しました。廃液からバイオオイルを生産するスキームも考案できました。

講演 広島大学大学院工学研究科  D2  Apip AMRULLAH

「下水汚泥の形態学的構造における水熱処理の影響」

本研究の目的は、水熱処理時の下水汚泥の形態構造に対する温度の影響を調べることです。低エネルギー消費という観点から、水熱処理は有機廃棄物の前処理のための有望な選択肢です。必要に応じて、燃料エネルギー密度の増加または有効な乾燥への寄与も達成されます。水熱処理は有機物の細胞構造の破壊をもたらしますが、下水汚泥の形態構造に対する温度の影響に関する実験的研究は十分に研究されていません。本研究では、連続式反応器を用いて130〜250℃の温度域, 5MPaの圧力下で下水汚泥の水熱処理が行われました。液体試料は全有機炭素(TOC)分析器で分析し、液体(非突発性有機炭素、NPOC)および溶解した気体生成物(無機炭素、IC)中に存在する全炭素を定量しました。固体試料はZEN顕微鏡2.3ブルー版で観察され、対物レンズLD A-Plan 40x / 0.55 Ph1が用いられ、倍率は40xでした。下水汚泥の細胞が破壊され、全有機炭素(TOC)が温度の上昇と共に増加することが示されました。

講演 広島大学大学院工学研究科 D1 Rahmat Iman Mainil

「亜臨界水および超臨界水中のグリセロアルデヒド分解」

この研究の目的は亜臨界および超臨界水中のグリセルアルデヒド分解の特性を決定することです。グリセロアルデヒドは化学式C3H6O3を有するトリオース単糖ですが,これは、キシロースの超臨界ガス化におけるレトロアルドール反応の挙動についてより理解するための原料として選択されました。本研究では、キシロースの分解にはっきりと見られない反応や中間体化合物について説明します。本実験はグリセロアルデヒドを脱イオン水に溶解させ、350〜450℃,25MPaの条件で連続式反応器を用いて行いました。液体生成物中に存在する化合物は高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用して同定しました。この研究で観察された中間体は、レトロアルドール生成物(グリコールアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドおよびジヒドロキシアセトン)および有機酸(酢酸およびギ酸)でした。反応速度論は、すべての反応が一次であると仮定して決定しました。 アレニウスの挙動は、反応をフリーラジカル反応(超臨界領域におけるアレニウス反応を示す)およびイオン反応(超臨界領域におけるアレニウス反応を示さない)として分類するために用いられました。

司会 広島大学大学院工学研究科 研究員 Nattacha PAKSUNG

第57回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第22回広大ACEセミナー)が開催されました

■第57回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第22回広大ACEセミナー)が開催されました

(English announcement can be found in the latter half of this notice.)

日時 2017年 10月 18日(水)16:20~17:50

会場 広島大学東広島キャンパス工学部110講義室

プログラム

解説 広島大学大学院工学研究科  教授 松村幸彦

講演 広島大学大学院先端物質科学研究科  M2 高垣 俊宏

「微生物燃料電池を用いた余剰汚泥分解と電力変換」

現在、一般排水の浄化には主に活性汚泥法が用いられています。活性汚泥法では細菌が有機物を代謝して増殖する結果、余剰汚泥が大量に発生します。余剰汚泥は約6割が高温炉で焼却され、建築材等にリサイクルされますが、焼却処分する際に発生する亜酸化窒素や焼却の助燃剤費が問題です。本研究では、追加的エネルギーが不要な微生物燃料電池(Microbial Fuel Cells, MFC)を用いて、余剰汚泥の分解処理、およびその電力変換の可能性の検証を試みました。

講演 広島大学工学研究科 B4 黒木 睦美

「キャピラリー菅を用いた水熱反応下でのグルコース分解の反応場質量分析」

近年、エネルギー需要の増加に伴い、化石燃料の枯渇や地球温暖化が深刻な課題となっています。これを解決するために、化石燃料の代替となる再生可能エネルギー源に注目が集まっています。その中でも有望視されているのがバイオマスで、特に、非可食部バイオマスから作られた第二世代バイオエタノールが注目されています。しかし、現段階では収率が低く実用化には至っていません。収率をあげるためには高性能の前処理による処理効率の改善が必要です。処理効率を改善するためには、短時間に高温で反応場に存在する他の化合物を検出することが重要です。本研究では、キャピラリー菅を用いて水熱条件下でそのような化合物を検出することができる反応場質量(in situ MS)分析システムを開発しています。質量分析に必要な真空圧力まで減圧させ、分析を行うことに成功しました。キャピラリー菅を長くすることにより、より高圧の状態での分析も可能になると考えています。

講演 広島大学工学研究科 B4  横山 裕生

「セルロースの酵素加水分解における5-HMFの影響」

近年,リグノセルロース系バイオマス原料からエタノールを得ることが注目を集めています。この技術の研究においての問題の一つに,熱水による前処理時に,発酵阻害物質である5-ヒドロキシメチルフルフラール(5-HMF)が発生することが挙げられます。5-HMFの発酵における影響は多くの研究がありますが,酵素加水分解における影響は知られていません。そこで,本研究ではセルロース1 gに,5-HMFの量を0,0.1,0.2 gと変えて酵素加水分解を行いその影響を確認しました。その結果,酵素加水分解における5-HMFの量の影響は無いことが分かりました。

講演 広島大学大学院工学研究科 M1 橋本 壮侍

  「水熱条件下におけるDNAの分解特性」

リンは植物を育てる際の肥料ですが,その形態は無機リンです。近年,下水汚泥から無機リンを回収する研究が行われており,水熱処理はその方法の一つとして提案されています。本研究では下水汚泥に含まれているとされる有機リンの一つであるDNAを試料として用い,その分解特性,および超臨界条件におけるガス化特性を調査しました。その結果,超臨界条件では分解が進行しますが,生成された無機リンが析出することが判明しました。

司会 広島大学大学院工学研究科 研究員 Nattacha PAKSUNG

木質バイオマスに関するシンポジウム 【開催日2017.10.4】

**** 中国地域バイオマス情報HQメールマガジン ****

<イベント案内版>
皆様、中国地域バイオマス利用研究会、広島大学バイオマスプロジェクト研究セ
ンター、そして広島大学エネルギー超高度利用研究拠点の活動にご協力をいただ
き、ありがとうございます。
以下のように木質バイオマスに関するシンポジウムを企画しました。是非ご参加
をいただければ幸いです。当日参加も可能ですが、会場準備の都合から、以下か
ら事前申し込みをいただければ幸いです。
http://home.hiroshima-u.ac.jp/~hpthermo/1710woodbm/

                                                 松村 幸彦 (代送 樋口)
■■■2017  10/ 4 広島 シンポジウム
               「森から始まる活性化 地域木質バイオマス利用の展開」■■■

主催:中国地域バイオマス利用研究会
   広島大学バイオマスプロジェクト研究センター
   広島大学エネルギー超高度利用研究拠点(広大ACE)

 日時:2017年  10月4日(水)13:00~
場所:サテライトキャンパスひろしま 5階  504講義室

https://www.pu-hiroshima.ac.jp/site/satellite/
広島市中区大手町1丁目5-3  ※エディオン本館から南へ約100m         
*JR広島駅から
     路面電車で約20分,バスで15分,車で15分
*路面電車(広島電鉄)
    ◆広島港行 「本通り」下車,徒歩約5分
    ◆西広島行,江波行,宮島行 「紙屋町西」下車,徒歩約3分
*広島バスセンターから
           徒歩 約3分
*広島空港から 
          リムジンバス(広島バスセンター行) 約60分
*バス
         ◆広島バス21号線 広島駅,向洋大原,洋光台団地行 「本通り」下車,徒歩5分

 *サテライトキャンパスひろしまには専用の駐車場はありません。公共交通機関か広島県民文化センター地下2階の一般有料駐車場を利用してください。この駐車場につ
いては,次のホームページを参照してください
http://www.rcchall.jp/bunkac/html/floor/b2f/index.html
参加費:2,000円(会員) 3,000円(非会員)

趣旨:我が国では固定価格買取制度の導入で一気に木質バイオマス発電が導入さ
れている。一方で、発電ではなく熱利用をする方が有効であるという声も根強
く、熱利用の導入も進められている。発電と熱利用のそれぞれについて、事業と
して行う企業側、地域活性化を主目的として進める地方自治体のそれぞれの立場
からお話をいただくことによって、木質バイオマス利用による地域活性化の可能
性を議論する。

■プログラム
 13:00-13:05 開会挨拶
  中国地域バイオマス利用研究会 会長 
  広島大学バイオマスプロジェクト研究センター センター長
  広島大学エネルギー超高度利用研究拠点 副代表       松村 幸彦

  13:05-13:35  中国木材株式会社 電力・設備事業本部 本部長 中谷 中應
          「製材事業者としてのバイオマス発電」

  13:35-14:05  岡山県真庭市役所 産業観光部 林業・バイオマス産業課主事
                               田村 奨太
          「真庭市のバイオマス利活用の取り組み
                           ~バイオマス産業杜市を目指して~」

 14:05-14:35 庄原さとやまペレット株式会社 工場長     本山 輝俊
          「ペレット製造の現状」

 14:35-14:45   休憩 

 14:45-15:15   東広島市役所産業部農林水産 農林保全係長  吉田 倫幸
          「東広島市のふるさと里山再生プロジェクト」

 15:15-15:45   広島大学大学院工学研究科 教授       松村 幸彦
            「木質バイオマスを用いた地域再生の可能性」 

 15:45-16:15 総合討論
  16:15-16:20 閉会挨拶
            広島大学バイオマスプロジェクト研究センター 副センター長  中島田 豊

   司会:広島大学大学院工学研究科 教授 松村 幸彦

 連絡先:〒739-8527広島県東広島市鏡山1-4-1
        広島大学大学院工学研究科機械システム工学専攻内
        中国地域バイオマス利用研究会
TEL・FAX:082-424-5762
Mail:bprc@hiroshima-u.ac.jp

 *** 以下、 [at] は @ に置き換えてください。
○このメールマガジンはメーリングリストではありませんので、返信はできません。
  お気づきの点があれば、bprc[at]hiroshima-u.ac.jp までご連絡ください。
○このメールマガジンの配信停止、配信希望の連絡も、
 bprc[at]hiroshima-u.ac.jp までお願いします。
○行事などの案内の送信についても、
  bprc[at]hiroshima-u.ac.jp までご連絡ください。
○中国地域バイオマス情報HQのホームページは以下の通りです。ぜひ御覧下さい。
  http://hosty-biomass.jp/chu-goku/

第19回エネルギー超高度利用研究拠点セミナーが開催されました

第99回メカニカルシステムセミナー
(第19回広大ACEセミナー)

日時:2017年7月27日(水)13:00~15:00
場所:広島大学工学部A3-132号室

講演者:Daiyu Hayashi,  Dr. Senior Research Scientist
     Multiphysics and Optics, Philips Research (Aachen, Germany)

講演題目: Industrial applications of plasma and light technologies

講演内容:
We make a brief overview on the industrial applications of plasma
discharge and light technologies.
Amongst those, the current status of medical applications of atmospheric
plasma discharges is
explained and the potentials and limits of this technology are
discussed. As one of the new directions
in light technologies, we discuss on the generation of UV and NIR light
with solid-state sources and their
application in medical diagnostics and treatments.

世話人 難波愼一(7615)

第55回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第16回広大ACEセミナー)が開催されました

■第55回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第16回広大ACEセミナー)が開催されました

(English announcement can be found in the latter half of this notice.)

日時 2017年 7月 19日(水)16:20~17:50

会場 広島大学東広島キャンパス工学部110講義室

プログラム

解説 広島大学大学院工学研究科  教授 松村幸彦

講演 広島大学大学院工学研究科 M2  Tanawan CHALERMSAKTRAKUL

「キシロースの酢酸添加による水熱処理」

 ヘミセルロースのモデル物質であるキシロースの水熱ガス化は、連続流動反応器を用いて酢酸の存在下で高温高圧下(350,400,450℃、25MPaまで)で行いました。酢酸は有機化合物の一つであり、環境に優しく、低腐食性であり、またヘミセルロースガス化の副生成物でもあるので、キシロースの超臨界ガス化における各反応の挙動をよりよく理解する触媒として選択されました。本研究では、酢酸を添加した場合と添加しない場合のキシロース分解の反応速度定数を比較することを目的としました。滞留時間の影響を決定するため0.5から5秒まで変化させました。キシロースの濃度は1.5重量%の酢酸と混合した1.5重量%でした。キシロースの超臨界ガス化で酢酸を添加するとラジカルスカベンジャーとして作用してH+となり、ラジカル反応であるレトロアルドール反応と炭素ガス化生成が抑制されました。一方、キシロースとキシルロースのフルフラールへの脱水は著しく促進されました。亜臨界と超臨界とは小さな違いがあります。亜臨界条件下では酢酸の効果でキシルロースからの脱水反応の方がシロースからの脱水反応より早く促進させることができると分かります。一方、超臨界条件下では酢酸の効果でキシロースからの脱水反応の方がシルロースからの脱水反応より早く促進させています。

講演 広島大学大学院先端物質科学研究科  D3    Mattana TUNCHAI

「植物病原菌の挙動を攪乱する革新的な感染制御手法」

Ralstonia solanacearumは世界中の各種商業作物を枯らす植物病原菌です。細菌の走化性(化学物質への走性行動)により、病原菌が植物根周辺に引き寄せられて移動します。これが植物枯死の初期段階として重要であることと考えられています。そこで、この走化性行動を攪乱することにより植物への感染を遅延、抑制することができるかもしれないと考えました。R. solanacearumが誘引、もしくは忌避する物質を見いだした後、トマト植物への感染を抑制する物質の検討を行いました。その結果、植物病原菌が根に誘引される物質の一つであるリンゴ酸が感染を抑制する有望な物質であることがわかりました。

講演 広島大学大学院先端物質科学研究科  M2  Luo GONGLINFENG

「低温菌シンプル触媒によるカルボン酸生産」

バイオマスから付加価値のある化学品を生産するのは石油に依存しない化学工業を創出できる有望な手段です。有機酸、特にTCA回路に含まれるカルボン酸は化学工業で広く応用できます。現在工業的に生産されているカルボン酸の種類は限られています。カルボン酸は色んな代謝産物の中間産物や前駆体であり、細胞内での大量蓄積やトランスポートは困難であるため、宿主由来の代謝酵素がカルボン酸の高生産を阻止しています。我々は30度以上で生育不可能の低温菌を宿主として生体触媒を構築しました。宿主の代謝酵素を失活させることと膜透過性を改変することによってより良い収率と基質との接触を改善して、効率的なカルボン酸生産触媒の構築を進めています。

講演 広島大学大学院工学研究科  D3    Paksung NATTACHA

「超臨界水におけるグルコースの分解及ぼすフェノールの影響」

 バイオマスを効率よくエネルギーに変換する技術の一つに超臨界水ガス化があります。この技術は高温高圧条件下での熱水反応を用いたエネルギー回収法で、水中で処理を行うので、原料のバイオマスが水を含有していても問題はなく、高い反応性を持っています。さらに、乾燥プロセスが必要でなく、水素収率が高いため、有望な技術であります。本研究ではバイオマスのモデル物質としてグルコースを用い、超臨界水におけるグルコースの分解及ぼすフェノールの影響に注目しました。実験条件は反応温度350-400 oC、圧力25 MPa、滞留時間1-40 sとしました。炭素収支をとるため、ガス、液体、固体中の炭素量を測定し、反応速度定数をそれぞれ求めました。

司会 広島大学大学院工学研究科  客員研究員  Obie FAROBIE

第54回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第15回広大ACEセミナー)が開催されました

■第54回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第15回広大ACEセミナー)が開催されました

(English announcement can be found in the latter half of this notice.)

日時 2017年 6月 8日(木)16:20~17:50

会場 広島大学東広島キャンパス工学部110講義室

プログラム

解説 広島大学大学院工学研究科  教授 松村幸彦

講演 広島大学大学院先端物質科学研究科 研究員  喜多 晃久

「微生物共生システムによる難分解バイオマスの嫌気的分解機構の解明と物質生産への応用」

コンブの主成分であるアルギン酸や、カニやエビの殻の主成分であるキチンは地球上に豊富に存在する有望な再生可能資源です。しかし、これらは難分解性であり、工業的に利用されている微生物では分解することができません。そのような中で、我々は環境中の菌叢が、いとも簡単に難分解バイオマスを嫌気分解し得ることを見出してきました。今回は、これまでに明らかとなった、その分解メカニズムや物質生産への応用について紹介します。

講演 広島大学大学院工学研究科  M1   橋本 壮侍

「亜臨界水および超臨界水中におけるDNAの分解挙動」

 リンは植物を育てる際の肥料でありますが,その形態は無機リンです。近年,下水汚泥から無機リンを回収する研究が行われており,水熱処理はその方法の一つとして提案されています。本研究では下水汚泥に含まれているとされる有機リンの一つであるDNAを試料として用い,その挙動を確認しました。300℃から450℃までで温度を変化させて実験を行ったところ,超臨界状態において反応温度もしくは滞留時間の上昇とともに,全リンおよび無機リンの収率は減少しました。

講演 広島大学大学院工学研究科  D3     Pattasuda  DUANGKAEW

「水熱反応生成物のその場の質量分析」

近年、石油価格の高騰と化石燃料の使用などによる地球温暖化により、再生可能エネルギーに注目が集まっています。そこで私の研究の目的は、特に、バイオマス資源を燃料や化学薬品へ変換する技術が必要不可欠です。大型藻類の水熱前処理の主な生成物を決定します。140 ~220 °Cの水熱前処理においてグルコースがどのように反応するかを調べました。直接質量分析の結果と高速溶液クロマトグラフィーの結果を比較しました。

司会 広島大学大学院工学研究科  客員研究員  Obie FAROBIE

第53回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第13回広大ACEセミナー)が開催されました

■第53回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第13回広大ACEセミナー)が開催されました

(English announcement can be found in the latter half of this notice.)

日時 2017年 5月18日(木)16:20~17:50

会場 広島大学東広島キャンパス工学部110講義室

プログラム

解説 広島大学大学院工学研究科  教授 松村幸彦

講演 広島大学大学院先端物質科学研究科 研究員  三浦 豊和

「褐藻からのバイオメタン生産」

 

大型藻類は、海洋で栽培できることから陸上で栽培される食糧と競合しない、リグノセルロースと比較して分解しやすいことから、バイオメタン生産の原料として有望です。本研究では、塩分含有大型藻類からのバイオメタン生産を、塩分無希釈条件下で、褐藻を基質とし、海洋由来微生物源を使用して行いました。

講演 広島大学大学院先端物質科学研究科 M2    中井 昇太

「低級有機酸資化性細菌を用いた油脂生産とバイオマス利用の可能性」

海洋性の低級有機酸資化微生物Nitratireducter sp.OM-1株を用いて、大型藻類などのバイオマスからバイオ燃料となりうる油脂を生産することで、海洋国である日本でのバイオリファイナリー技術の確立を目指しています。

OM-1株は窒素飢餓のストレス条件下で細胞内に油脂を約60%蓄積します。そこで、本研究では、窒素飢餓下での培養条件の検討を行うことで、油脂生産量の向上に取り組みました。

講演 広島大学大学院先端物質科学研究科  M1     竹村 海生

Moorella thermoaceticaの酢酸合成経路改変による細胞内ATPプール量への影響」

合成ガス資化ホモ酢酸菌であるMoorella thermoaceticaの酢酸合成経路改変を行い、フルクトースからエタノールを生産するdpdul::aldh株の育種に成功しました。このエタノール生産株をdpdul::aldhと命名しました。しかし、dpdul::aldhはH2-CO2培養では生育できませんでした。その原因はATP供給量の低下と考えられたため、基質の違い、及び、酢酸合成経路改変による細胞内ATPプール量への影響を調べました。その結果、野生株のH2-CO2培養、dpdul::aldhのフルクトース培養の細胞内ATPプール量は、野生株のフルクトース培養と比較して、それぞれ1/5程度まで低下していました。

司会 広島大学大学院工学研究科  客員研究員  Obie FAROBIE

第12回エネルギー超高度利用研究拠点セミナーを開催しました

以下のセミナーに共催する形で
「第12回エネルギー超高度利用研究拠点セミナー」が開催されました。
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第95回メカニカルシステムセミナー
(第12回広大ACEセミナー)

日時: 2017年5月1日 10:30~12:00
場所: 工学部A3棟131号室

講演題目:Flame Instability and DDT in a Thin Layer Geometry
講演者:Dr. Mike Kuznetsov,Principal Researcher
所  属:Institute for Nuclear and Energy Technologies,Karlsruhe Institute
of Technology,Germany

世話人:金佑勁(反応気体力学研究室)内線7559

第11回エネルギー超高度利用研究拠点セミナーを開催しました

以下のセミナーに共催する形で
「第11回エネルギー超高度利用研究拠点セミナー」が開催されました。
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第52回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第11回広大ACEセミナー)のご案内

(English announcement can be found in the latter half of this notice.)

広島大学バイオマスプロジェクト研究センターと中国地域バイオマス利用研究会の共催で広島大学バイオマスイブニングセミナーを開催しています。バイオマスに関する基本的な考え方から最先端の情報までをカバーして、この地域におけるバイオマスの活動に資することを目的とするものです。第52回を以下の日程で開催しますので、ご参集下さい。

日時 2017年4月26 日(水)16:20~17:50

会場 広島大学東広島キャンパス工学部110講義室

http://hiroshima-u.jp/eng/access/lectureroom

   http://hiroshima-u.jp/eng/access/building

   http://hiroshima-u.jp/access/

プログラム

解説 広島大学大学院工学研究院  教授 松村幸彦

講演 広島大学大学院工学研究科 M2    木原 潔人  

 「カーボンナノチューブ触媒の水熱前処理および酵素加水分解へ及ぼす影響」

講演 広島大学大学院工学研究科 D2    Novi SYAFTIKA 

「バイオディーゼル廃棄物を媒体とする米残渣の水熱前処理」

講演 広島大学大学院工学研究科 D3   Nattacha PAKSUNG  

「超臨界水におけるリグノセルロース系のバイオマスのモデル化合物の相互作用」

講演  広島大学大学院工学研究科 M2 Tanawan CHALERMSAKTRAKUL

「キシロースと酢酸混合物の超臨界水ガス化」

司会 広島大学大学院工学研究院  客員研究員  Obie FAROBIE