第81回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第 64回広大ACEセミナー)を共催しました

第81回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第64回広大ACEセミナー)を共催しました。

 

日時 2020年1月20日(月)16:20~17:50

会場 広島大学東広島キャンパス工学部110講義室

 

 

プログラム

 

解説 広島大学大学院工学研究科  教授 松村 幸彦

 

講演 広島大学大学院工学研究科 MI  Ali MOHAMMED

「連続流通式反応器における超臨界水条件下での多層カーボンナノチューブ触媒の挙動」

炭素触媒は、バイオマスにおける重要な役割のため、さまざまなアプローチで多くの研究者の注目を集めています。多層カーボンナノチューブ(MWCNT)も、利用可能なバイオマスの炭素触媒です。この研究では、 MWCNTを原料として使用し、実験室規模の連続流通式反応器を使用して超臨界水中でガス化しました。炭素ガス化率、ガス組成、液体生成物および固体生成物中の全有機炭素を含むMWCNTの挙動について説明しました。

 

講演 広島大学大学院工学研究科 M2  横山 裕生

「5s以下でのグリシンの超臨界水ガス化挙動」

超臨界水ガス化はバイオマスを素早く、ほぼ完全に変換することができるため注目されています。亜臨界状態でのアミノ酸の分解についての報告はいくつかあり、イオン反応が主に起こっているとの見解が得られており、アミノ酸を含む窒素化合物を超臨界水ガス化する際にその窒素挙動を知ることは重要です。超臨界条件下でアミノ酸はとても早く分解することが知られていますが、超臨界条件下でのグリシンの分解についての研究は、そのほとんどが5s以内に行われるにも関わらず、これまでに5s以上の滞留時間でしか実験が行われていません。そこで、 5s以内でのグリシンの超臨界水ガス化実験を行いました。実験は管式流通反応器で25MPaで行い、グリシンをタンパク質のモデル物質として使用、グリシン分解速度定数を決定しました。

 

講演 広島大学大学院統合生命科学研究科食品生命科学プログラム 講師  平山 真

「藻類由来糖結合性タンパク質「レクチン」の構造、機能および応用について-新たな診断ツールおよび医薬素材として-」

我々のグループは藻類から70種を超える糖結合性タンパク質「レクチン」を単離し、その分子構造や糖鎖結合性を明らかにしてきました。藻類レクチンには、腫瘍糖鎖マーカーを特異的に認識するものや、エンベロープに糖鎖を有するHIⅤやインフルエンザウイルスに対して強い抗ウイルス活性を示すものも見出されており、その特異な糖鎖結合能から診断ツールや医薬としての応用が期待されています。本セミナーでは、藻類レクチンの構造および機能的特徴を概説し、これらの高度利用について紹介したいと思います。

 

司会 広島大学大学院工学研究科  教授 松村 幸彦