Author Archives: AsanoHiroko

水素・次世代エネルギー研究会セミナー2017 Vol.1を共催しました

水素・次世代エネルギー研究会セミナー2017vol.1
~ CO2フリー水素の開発状況 ~


【日時】
2017年10月31日(火) 13:30~17:15


【場所】
広島市西区民文化センター 大ホール
(広島市西区横川新町6-1 TEL:082-234-1960)

【内容】

「CO2フリー水素ワーキンググループ報告書」
講演 経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 
   新エネルギーシステム課 係長 長田 理 氏

「太陽光発電システムを利用した水素ステーション(SHiPS)」
講演 長州産業株式会社 新エネルギー部 部長 山﨑 敏晴 氏

「人工光合成技術による二酸化炭素消費・水素活用型の新しい住宅への展開」
講演 大阪市立大学 複合先端研究機構 教授 天尾 豊 氏

「講評と総括」
   広島大学 エネルギー超高度利用研究拠点 教授 市川 貴之 ⽒

【主催】
水素・次世代エネルギー研究会
中国経済産業局
一般社団法人中国経済連合会
東広島市
広島市
公益財団法人広島市産業振興センター
公益社団法人中国地方総合研究センター
広島大学 【第21回 広島大学エネルギー超高度利用研究拠点セミナー】

第56回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第20回広大ACEセミナー)を開催しました

■第56回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第20回広大ACEセミナー)を開催しました

(English announcement can be found in the latter half of this notice.)

日時 2017年9月13日(水)16:20~17:50

会場 広島大学東広島キャンパス工学部106講義室

プログラム

解説 広島大学大学院工学研究科  教授 松村幸彦

講演 広島大学大学院工学研究科  D3    Paksung NATTACHA

「亜臨界及び超臨界条件におけるリグノセルロース系バイオマスのガス化: モデル物質間の相互作用およびプロセスの評価」

 バイオマスを効率よくエネルギーに変換する技術の一つに超臨界水ガス化があります。この技術は高温高圧条件下での熱水反応を用いたエネルギー回収法であり、水中で処理を行うので、原料のバイオマスが水を含有していても問題はなく、高い反応性を持っています。さらに、乾燥プロセスが必要でなく、水素収率が高いため、有望な技術です。しかし、バイオマスは色々な化合物があり、プロセスを最適化するのに困難です。それによって、バイオマスの変換する反応機構を検討するのが必要です。リグノセルロース系バイオマスではセルロース、ヘミセルロース、リグニンです。本研究では亜臨界及び超臨界水中におけるリグノセルロース系バイオマスのガス化を検討します。モデル物質間の相互作用およびプロセスの評価が行われました。

講演 広島大学大学院工学研究科  客員研究員  Obie FAROBIE

「超臨界バイオディーゼル生産:最先端技術」

地球規模の気候変動と環境汚染問題を緩和する努力は、再生可能エネルギーの研究に大きな注目を集めています。再生可能エネルギーの最も顕著な形態の1つはバイオディーゼルであり、これは植物油、微細藻類または動物性脂肪を含むバイオマス由来です。これまでバイオディーゼルを製造するためにいくつかの方法が用いられてきました。現在、超臨界バイオディーゼル製造は、触媒が不要で、滞留時間が短く、反応速度が速く、前処理要件がなく、多種多様な用途に適用できるという利点を含む、他の方法よりもいくつか利点があるため、激しい開発が行われている供給原料です。この技術は、メタノールとエタノールを使用したバイオディーゼル生産のために最初に設計されました。最近では、超臨界酢酸メチルおよびtert-ブチルメチルエーテル(MTBE)におけるバイオディーゼル製造も開発されています。この論文では、超臨界バイオディーゼルの製造について詳細に議論します。最後に、超臨界バイオディーゼル製造におけるエネルギー回収ならびに反応物要求を改善するための課題および将来の研究のための勧告が提供されます。

司会 広島大学大学院工学研究科 教授   松村 幸彦

第52回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第11回広大ACEセミナー)を共催しました

第52回広島大学バイオマスイブニングセミナー(第11回広大ACEセミナー)を共催しました。

 

 

日時 2017年 4月26日(水)16:20~17:50

会場 広島大学東広島キャンパス工学部110講義室

 

プログラム

 

司会 広島大学大学院工学研究科  教授 松村幸彦

 

講演 広島大学大学院工学研究科 M2    木原 潔人  

 「カーボンナノチューブ触媒の水熱前処理および酵素加水分解へ及ぼす影響」

 

近年、化石燃料の枯渇を懸念し、代替エネルギーとしてバイオマスエネルギーが注目されています。食料と競合しないリグノセルロース系バイオマスのホテイアオイ注目されており、多くの研究が行われています。リグノセルロース系バイオマスからバイオエタノールを得るために前処理、酵素加水分解、発行といった3つのプロセスを経ています。リグノセルロース系バイオマスは強固な結晶構造を持っており、それを破壊し、酵素加水分解します。この破壊するための処理が前処理であり、水熱前処理は最も用いられる処理の1つです。その処理で多くの研究者は触媒を用いており、その中でもカーボンナノチューブ(CNT)は広い表面積を持ち、硫酸処理されたCNT触媒は前処理において効果があったと報告されています。しかし、その処理後の酵素加水分解への影響は未だ示されてなく、本研究ではCNT触媒の水熱前処理における影響と水熱前処理後のサンプルを酵素加水分解した影響を確認し、さらに水熱前処理の温度影響についても調査しました。ホテイアオイは触媒なし、CNT、酸処理されたCNTの触媒条件で水熱前処理された。温度条件は200 oC 、250 oC 、300 oC であり、目標温度になると速やかに冷却しました。酵素加水分解は温度50 oC で保持しました。酵素はセルラーゼおよびβグルコシダーゼであり、グルコース収率はHPLCを用いて分析し求めました。

 

 

 

 

講演 広島大学大学院工学研究科 D2    Novi SYAFTIKA 

「バイオディーゼル廃棄物を媒体とする米残渣の水熱前処理」

 

農業廃棄物は、ヒトの食糧供給と競合していないため、バイオエタノール生産のためのセルロースバイオマスとしてより一般的になってきています。ライスは、広島県北広島のオアサ(Oasa)の小さな地区を含む日本最大の農産物です。その結果、この地域では籾殻が毎年大量に生産されています。籾殻は、ほとんど未利用のままであり、セルロースを含みます。したがって、それはバイオエタノールに変換される可能性があります。水熱プロセスは、セルロース系バイオマスを、媒体として単独で熱圧縮水を使用しているため、バイオエタノールを含む様々な製品に変換する環境に優しい前処理技術として知られています。しかしながら、研究は、触媒の添加が生成物の収率を改善することを示しました。水酸化ナトリウムのようなアルカリ触媒は、それが低コストの化学物質であり、容易に得られるので、しばしば水熱前処理に使用されます。それにもかかわらず、触媒コストの低減は、バイオエタノールをより経済的に競争させるのに有益であるでしょう。興味深いことに、日本の北広島のオアサ地区では、バイオディーゼルは植物油の廃棄物から製造され、ディーゼルエンジン車に利用されています。このバイオディーゼル生産は、非常に高いpH(アルカリ性)を有するバイオディーゼル廃棄物を生成し、それを環境中に廃棄する前に中和するための処理が必要とされます。本研究では、籾殻の水熱前処理のための市販のアルカリ触媒に代わるバイオディーゼル廃棄物のアルカリ特性を利用する可能性を検討しました。研究は、ステンレス鋼から製造されたオートクレーブ反応器を用いて行いました。実験は150,200および250℃の反応温度、30分の反応時間で実施し、バイオディーゼル廃水の添加をアルカリ触媒有りおよび無しの水と比較しました。前処理の有効性を測定するために、グルコース収率を得るために前処理後に酵素加水分解を使用しました。種々の温度での水熱前処理によるグルコースへの籾殻転換へのバイオディーゼル廃棄物添加の効果が詳述されました。

 

 

 

 

講演 広島大学大学院工学研究科 D3   Nattacha PAKSUNG  

「超臨界水におけるリグノセルロース系のバイオマスのモデル化合物の相互作用」

 

バイオマスを効率よくエネルギーに変換する技術の一つに超臨界水ガス化があります。この技術は高温高圧条件下での熱水反応を用いたエネルギー回収法であり、水中で処理を行うので、原料のバイオマスが水を含有していても問題はなく、高い反応性を持っています。さらに、乾燥プロセスが必要でなく、水素収率が高いため、有望な技術です。本研究ではリグノセルロース系のバイオマスのモデル物質としてグルコース、キシロースおよびグアヤコールを用い、混合物の超臨界水ガス化に及ぼす相互作用を注目しました。実験条件は反応温度350-450°C、圧力25 MPa、滞留時間5-60 sとしました。炭素収支をとるため、ガス、液体、固体中の炭素量を測定し、反応速度定数をそれぞれ求めました。

 

 

 

 

講演  広島大学大学院工学研究科 M2 Tanawan CHALERMSAKTRAKUL

「キシロースと酢酸混合物の超臨界水ガス化」

 

ヘミセルロースのモデル物質であるキシロースの水熱ガス化は、連続流動反応器を用いて酢酸の存在下で高温高圧下(400,450℃、25MPaまで)で行いました。酢酸は有機化合物の一つであり、環境に優しく、低腐食性であり、またヘミセルロースガス化の副生成物でもあるので、キシロースの超臨界ガス化における各反応の挙動をよりよく理解する触媒として選択されました。本研究では、酢酸を添加した場合と添加しない場合のキシロース分解の反応速度定数を比較することを目的としました。滞留時間の影響を決定するため0.5から5秒まで変化させました。キシロースの濃度は1.5重量%の酢酸と混合した1.5重量%でした。キシロースの超臨界ガス化で酢酸を添加するとラジカルスカベンジャーとして作用してH+となり、ラジカル反応であるレトロアルドール反応と炭素ガス化生成が抑制されました。一方、キシロースとキシルロースのフルフラールへの脱水は著しく促進されました。

 

 

 

司会 広島大学大学院工学研究科  客員研究員  Obie FAROBIE